2008-01-01から1年間の記事一覧

哲学

島田紳助と松本人志の共著という形で、短い文章を交互に書きながら、自分のことや相手のこと、お笑いのことを語っている。「書きながら」と書いたが、むしろ語っているものを起こしたような作り方だ。 02年の発行なのであれからの2人の行動も合わせると感…

φは壊れたね

久々の森博嗣です。図書館でGシリーズの1冊目があったので借りてしまいました。 話としては、S&Mシリーズのその後の流れの話です。謎解きが、なかなか始まらず最後の最後での急展開でした。次はθかな・・・Φは壊れたね (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出…

ニュースキャスター

筑紫哲也さんが亡くなられて、追悼番組を見ました。TBSの「NEWS23」の裏側といった内容でした。彼の最後の仕事は、この番組で「ニュースキャスター」をやったこととみんなから記憶されることでしょう。 この本の最後には、引用として2つの言葉が載ってい…

問う女

主人公の女性の半生を描いたドラマチックな物語。自分に自信がなくて、自分ばかり見つめて生きてきたために、周囲からは自分中心のわがままな女と見られ、まわりの人を傷つけていく。「私はなぜ人から愛されないの」という問いに、最後は自ら答えを出す。 会…

スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎002 (講談社文庫)

シリーズ第1作は、東野圭吾が1970年、80年、90年に発表された短編ミステリーの中から選んだものを1冊にまとめたものでしたが、今回は宮部みゆきが、その次の年、1971年、81年、91年の作品の中から選びました。時代を思い出させる資料もつ…

にぶんのに

中島みゆきが小説を書いているとは知りませんでした。しかも心を病んだ女性の話。ストーリーは東京からインドネシア。そして、日本の国内を駆け巡り謎が解かれてゆく。中島みゆきを主人公に見立てて読んでゆくと絵が浮かびます。しかし、オチはそんなに深く…

チーム・バチスタの栄光

映画化にもテレビ化にもなった、第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品。上下巻2冊構成の文庫本を読ませてもらいましたが、上巻を読んだ段階でどうなるのかと思ったら、とんでもないヒーローが出てきて、流れは大転回。一気に読んでしまいました…

ブッダは、なぜ子を捨てたか

なかなか、エキセントリックな書名。著者は、インドの仏教が「無我の仏教」であるとすれば、日本の仏教は「無私の仏教」であった。そして、江戸時代になって、先祖崇拝=葬式仏教の原型に練り上げられた。と述べている。ブッダは、なぜ子を捨てたか (集英社…

深紅

はじめは暗い話で、どこまで行くのだろうと思って読み進めたら、後半は救いも出てきた。 自分以外の家族を全部殺された被害者の女性がその殺人犯の娘を探し出し、殺人をそそのかす。ここまでは救いがないかと思った。 ところで、この作者は、2004年に亡くな…

赤朽葉家の伝説

戦中(第2次世界大戦)のころの少女が嫁に行き、子どもを生み、その子どもが、結婚し、子どもを生む。少女の孫が語り部となった大河小説風の渋さがあったのですが、最終章で軽いミステリーになってしまって、ちょっと残念な気持ち。高い山をようやく登ってつ…

やっぱりミステリーが好き

1990年に発行され、5年後に文庫本化された「雨の会」というミステリー作家集団の短編集。ちょっと昔なので、今の大御所が若いです。やっぱりミステリーが好き (講談社文庫)作者: 雨の会出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/03メディア: 文庫この商品を…

殺人の教室

日本推理作家協会の編集するミステリー傑作選だけあって、宮部みゆき、奥田英朗、伊坂幸太郎、乙一など、豪華ラインナップ。レベルは高いです。殺人の教室 ミステリー傑作選 (講談社文庫)作者: 日本推理作家協会出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/14メ…

水の眠り灰の夢

60年代という日本の魅力ある混沌とした時代を舞台にトップ屋と言われた週刊誌の記者が殺人事件と爆弾魔の犯人の真相に迫る。読み終わって解説を読むとこの主人公が「顔に降りかかる雨」の主人公の父親であることがわかる。なんかスターウォーズみたいな展…

白い犬とワルツを

アメリカの作家の翻訳もの。外国文学を少しでも読みたい気分でしたので、映画化にもなった本作品を読んでみました。 主人公は、長年連れ添った妻に先立たれ、子どもたちからは心配され、これからの生活のよりどころを探している。すると、白い犬が寄り付くよ…

超「超」整理法

超整理法シリーズは昔から愛読しています。もちろん超整理法手帳も。 15年前にベストセラーであった前作のスローガンは、「分類するな。ひたすら並べよ」であった。今回は「分類するな。検索せよ」がモットーである。 最後に必要な力は、「問題設定力」「…

死体は語る

44のコラムから成り立っている本。ほとんどのコラムの中で死者を語っている。 一貫して強調されているのは、「死者の人権」。死んだら人権もなにもないと考えがちだが、なぜ自分が死ななければならなかったか。遺族は死の原因を正確に把握したい。(保険も…

陰日向に咲く

売れた作品なので、いつかは読もうと思っていた。しかし買ってまで読む意欲はなく、昨日図書館で見つけたので借りました。半日で読了。売れる本だから、さらっと読めてしまうのか、さらっと読めるから売れたのかはわかりませんが、短編がちょっとしたキーワ…

龍宮

芥川賞受賞者の作品を読んでみようと。この本は短編集ですが、鯛やひらめの舞い踊りといった擬人化されたどろりとした感触を持つ作品群です。 非日常の空気を吸いたい人にはお勧めかも。龍宮 (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005…

ホワイトグッドバイ

天国の本屋シリーズとは一線をかく作品。結構ハードボイルドです。北海道を舞台にテロリストが人間性を取り戻すといったような・・・ホワイトグッドバイ作者: 松久淳,田中渉出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2003/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) …

あの夏を泳ぐ―天国の本屋

天国の本屋シリーズの最新刊。いままでの作品の中で、しっかり描かれているせいか、本が厚いです。2人の女性の青春物語で、読んだ後でほっとしました。 ある意味「読む薬」ですね。あの夏を泳ぐ―天国の本屋作者: 松久淳,田中渉出版社/メーカー: 新潮社発売…

蒲生邸事件

宮部みゆきの初期の作品。日本SF対象受賞作品。 2.26事件を取り上げたタイムトラベルもの。かなりリアリティーを感じさせる作品ですが、最後のしめがきれいじゃない感じ。テーマがしっかりしていて読み応えはあったのですが、残念。蒲生邸事件 (文春文庫…

闘うプログラマー

ウインドウズNTの開発物語 多くのプログラマーが多くの犠牲の中で「人生最良のとき」を送ったかをドキメンタリーとして書き下ろされたもの。登場人物が多いことと細かなストーリーがないことはやむをえない。かなりの専門知識がないと下巻の頭から進めない…

僕の哀しい失敗

本人も書いているが、この短編集は、「フツウの人のフツウの青春時代」の話でかなり、著者の実話なのかと想像させられる。設定は、村上春樹の初期のころの物に近いが内容は違う。ただし、偶然なのか、2人とも1949年生まれ。林は慶応大学、村上は早稲田…

iPodをつくった男

アップル社のCEOスティーブ・ジョブズのお話。 革新的な会社の経営。そしてその会社からの追放と復帰。 次は何をしてくれるんだろう。iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048)作者: 大谷和利出版社/メーカー: アスキ…

人は見た目が9割

演劇にも漫画にも造詣の深い著者は、豊富な事例でステレオタイプな「見た目」について詳しく解説。人は見た目が9割 (新潮新書)作者: 竹内一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/10/01メディア: 新書購入: 5人 クリック: 199回この商品を含むブログ (486件)…

王妃の館

浅田次郎のプリズンホテルのフランス版。 途中くすぐりがあって、最後にほろりとくる。「水戸黄門なみの予定調和」 とっても好きです。水戸黄門なみに安心して、上下巻を読み終えました。王妃の館〈上〉作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/0…

私塾のすすめ

齋藤孝と梅田望夫の対談をまとめたものである。1960年生まれの2人が同じところと違うところを見つけあう。ある意味では愚痴の言い合い。ある意味では同志の表明。といったところ。 齋藤は別な本でも語っているように、 (自分を)バカにした人を、自分を…

親指の恋人

この作品発表後のインタビューで、作者は所得格差の話をされていましたが、まさにそのまんまの話。日本一高いボーナスをもらっている父親を持つ、ヒルズ族の大学生と、工場に非正規雇用で働く、トラック運転手(のちに植物人間)の父を持つ娘の心中話。最初…

天使と悪魔

ヒット作のダヴィンチコードの前に書かれた作品。この本が、ラングドン・シリーズの第1作で、前述のダビンチ・・は第2作なんだそうです。しかし、007シリーズよりも、設定や冒頭のシーンなんかは、どうしてこんなに同じでいいんだろうと、ちょっとがっ…

ショーケン

とにかく、懺悔、懺悔、懺悔。やるだけのことをやってきた人が、あれをやりました、これをやりました。と語った本。 でも今は、・・・という話はなくて、ただ「生きたい」って言われても、返す言葉は「どうぞ」って。ショーケン作者: 萩原健一出版社/メーカ…