深紅

 はじめは暗い話で、どこまで行くのだろうと思って読み進めたら、後半は救いも出てきた。
 自分以外の家族を全部殺された被害者の女性がその殺人犯の娘を探し出し、殺人をそそのかす。ここまでは救いがないかと思った。
 ところで、この作者は、2004年に亡くなっている。残念な話だ。他の作品も読みたいと思う才能のある作家だと思ったのに。
 この本を原作に作者が脚本も書いて映画化されていることを知って、レンタルした。堀北真希が主人公の小学生時代をやっていて驚いた。今だったら、リメイクして、オール堀北でやってくれてもいいものができそうだ。ところで、原作を読んだばかりで、映画を見ると筋がわかっているので感動も何もないと思いきや、ラストシーンが鳥肌だった。これじゃある意味、作者に悪い。といっても、脚本が作者なのだからいいのだけれど・・・要するにラストシーンから、もう一回始めようといった作品になってしまった。原作を知っていれば余計に。ずるい。

深紅 (講談社文庫)

深紅 (講談社文庫)