親指の恋人
この作品発表後のインタビューで、作者は所得格差の話をされていましたが、まさにそのまんまの話。日本一高いボーナスをもらっている父親を持つ、ヒルズ族の大学生と、工場に非正規雇用で働く、トラック運転手(のちに植物人間)の父を持つ娘の心中話。最初に新聞記事があり、その記事のとおりに最後に死にます。救いはありません。読み終わると暗くなります。自分が、経済的に上か下かによって読み方が違ってくるかもしれません。ちなみにこの娘の場合は年収200万以下です。
清く貧しく美しくってことにはこの時代は無理なんでしょうか。200万より年収が上だからそういえるんでしょうか。社会現象を作品にした割に、「じゃどうすんの」というヒントを読み解くには、私は力不足です。
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/01/29
- メディア: 単行本
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