『計算機歴史物語』 内山 昭 著 1983

計算機歴史物語 (岩波新書 黄版 233)

計算機歴史物語 (岩波新書 黄版 233)

 パスカルは、「パスカルの原理」や「パンセ」(人間は考える葦である)で有名。なんて、ウンチクを述べる場ではないのだけれど、少年(十六才)パスカルが税務官吏であった父親の仕事が楽になるように考案したのが「歯車式機械」計算機だったのは有名(?)な話。本当は、一家の家計を助けるべく、この発明品の「商品化」を目指したのだけれど、結果としては失敗に終わったという、情けない顛末/てんまつ。(またウンチクにはまった)
 この本は、チグリス・ユーフラテス、メソポタミア時代からさかのぼり、多くの計算機(当然現代のような「機械」ではないが)について言及している。もちろん日本最古の計算機についても。
 しかし、この本を私が手にしたのは、・・・
 その前に、クイズを一つ。「電卓」は、なんの略か?
 手のひらサイズの「電卓」=「子式上計算機」が正解と思う。
ところが、かつて、わが家に「電気式卓上計算機」があった。モータで、歯車を回し、ガチャガチャすごい騒音を立てて計算が終わると「チーン」と鳴って知らせる。現在わが家にないが、昭和四十年頃ではなかったかと思う。
 そして、その同時期に「手動式計算機」を触らせてもらった経験がある。歯車の塊で、ハンドルがあり、セットしてハンドルを一生懸命回す。
 やっぱりそれも、計算を終了すると「チーン」で知らせてくれる。ただ、そこで、勢いづいてハンドルを止められないと答えが崩れてしまう。
という記憶がある。
 やっと、話を戻すが、この本を手にしたのは、今述べたような「計算機」の記憶によるものと思える。私にとって「技術革新」とか「ハイテク」といったイメージは、ここを起点にしているようだ。