へこたれない

 鎌田實さんの一連のエッセイ集。がんばらないとか、あきらめないとか、医師として死と直面している環境の中で書かれたものなので、説得力があります。本人も書いていますが、話すようなテンポのある書きぶりです。そこが、書き言葉を読みなれていると、ちょっとまだらっこいと言うか、読み終わった後、本を読んだというより、講演を聞いたという感じの読了感です。私としては、ちょっと淡白です。もう少し、1つの話が長いとよかったかなぁと思うのですが、鎌田實さんは、がんばっている人なので、忙しくてそんなまだらっこしいことはしてられないのでしょう。
 最後の風ちゃんの話は、感動しました。「体は不自由だけれど、不幸ではない」いい言葉です。この人の前では、「へこたれる」なんて言葉は逃げ出します。

へこたれない

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