2007-01-01から1年間の記事一覧

星新一 一〇〇一話をつくった人

作家を中心に読書をする習慣はいつ形成されたのか。江戸川乱歩からだったのか、星新一からだったのか。とにかく同じ作家の作品を飽きるまで読んで、マイブームが去るとほとんど見向きもしない。そんな読書生活です。この長い評伝は、そんな読書生活の早い頃…

リトル・ミス・サンシャイン

最近暗い話題が多かったので、ちょっと気晴らしのできる楽しい映画でした。ちびっ子のど自慢の嫌いな私にとって、ちびっ子ミスコンも大嫌いになりました。リトル・ミス・サンシャイン [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・…

赤い指

直木賞受賞後第一作なので、期待もあったのですがなかなか本が手に入りませんでした。(新刊本として買おうと思わなかったので)前作と同様に全体に暗い救いのない内容で読んだ後、気分爽快にはなりません。これが直木賞のテイストなんでしょうか。作品その…

スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001 (講談社文庫)

東野圭吾が70,80,90年代の作品の中からお気に入りを選んだものです。 松本清張、筒井康隆、赤川次郎、高橋克彦、宮部みゆきと私のお気に入りが入った短編集。いい時間を過ごさせていただきました。スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001 (講談社文庫)作者:…

どろろ

手塚治虫の「どろろ」という作品はずっと以前から認知していたものの、ストーリーはぜんぜん知らなかったなぁ。とまず鑑賞後の感想。時代劇なんだけど、無国籍な映像は国際的に受けがよいと思うのです。きっと海外の賞をねらっているのではと、かんぐってい…

サイダーハウス・ルール

サイダーハウスとはりんご農園なんだそうです。当時の黒人の労働の場として雇い主からの規則を「サイダーハウス・ルール」と言ったようです。(この映画では) ルールは自分で決めるんだ。というのがこの映画のテーマのように思えるのですが、社会の矛盾や青…

旅の重さ

とにかく若い。高橋洋子も岸田今日子も三国連太郎も。16歳の少女が旅をする話だけれど、純粋な旅で、都会は行かない。歩くときは白いシャツ。エッチなシーンになると黒に変わる。たいへん分かりやすい。オチにはあまり納得できないけど、吉田拓郎の主題歌…

放課後

東野圭吾のデビュー作。学園もの。女子高の教師に降りかかる殺人事件。やっぱり今読むと「若い」の一言。現在の作品に通じるものはたくさんあるけれど、やっぱり話の展開は今のほうがずっとよくなっている。(当たり前か?)なにせ20年以上も前の作品で、…

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所

日本推理作家協会が有名どころの作家に「こち亀」をベースに短編を書かせたもの。漫画のキャラクターを使ってどれだけ作家が自分の持ち味を出せるか。お遊びのようでもあり、真剣勝負のようでもある。短編なので気楽に読み終えます。ただ、入手は困難でよう…

十津川警部捜査行―愛と哀しみの信州

このシリーズは多く出ているようですが、初めて読みました。長野県松本市への急な旅行が決まったので、ちょっとは事前学習をしようと(?)買い求めました。長編かと思ったら、5つの短編で、最初の作品がもろ松本だったのですが、短編だけにそんなにその土地の…

ロシアン・ドールズ スパニッシュ・アパートメント2

ロシアン・ドールズというのが最後の落しどころなんだけれど、前作から数年後の彼らのドラマということで、前作を下敷きにドラマが進行するので、同じ1本の映画でも内容は濃い。フランスとイギリスのシーンがぶんぶんと入れ替わるのはさすがにEUという現実…

左手に告げるなかれ

第42回江戸川乱歩賞受賞作。女性の書いたものは女性の描写が上手い。女性の悲しさをストレートに描ける。でも、男はいまいち理解できない。ミステリーとして完成してると思うけど、女性に読んでもらいたいジャンルかな。左手に告げるなかれ作者: 渡辺容子出…

人生の教科書〈人間関係〉

2002年1月に出版された「対人関係」という本の文庫本。文庫本化に際していくつか加筆したようだ。やはり、人はいくつになっても成長する。数年前に書いたものでも現在に至る経験の積み重ねが新しいものを書きたくなるものだ。そういった意味で、あとが…

八月のマルクス

第45回江戸川乱歩賞受賞作品。ハードボイルド。題名の「マルクス」とは1930,40年代のアメリカの喜劇スター。マルクス兄弟で、マルクスの二挺拳銃(1940)は見たことがあるかも。この「マルクス」がキーワードなのでこれ以上は書けない。内容そのものは、日本…

スパニッシュ・アパートメント

いろんな国籍の学生たちが、バルセロナで共同生活をする中でいろいろな体験をする青春群像劇?フランスの映画。セドリック・クラピッシュ監督の作品。ハリウッド映画にない地味なところがいいです。時々こういったものを見ないと人生観がカラカラになりそう…

ザ・ドリフターズ 結成40周年記念盤 8時だヨ ! 全員集合

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だめだこりゃ―いかりや長介自伝

ドリフターズをリーダーの立場から語ると、才能のないグループが努力を重ねて「笑い」を作ってきたことがわかる。ただ、リーダーの一生懸命さのわりに他のメンバーの気持ちが伝わってこないのは、いかりやさんが、強いリーダーシップを持った孤独な人だった…

東京物語

ジョンレノンの暗殺、キャンディーズの引退、ベルリンの壁崩壊。そんな時代で地方出身者が東京で過ごして「なにか」になることを夢見た。そんな時代を思い出しました。東京物語 (集英社文庫)作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/09/17メディ…

ヘルボーイ

アメリカン・コミックスが原作と言われても、「泣いた赤鬼」を連想するような造り。ファンタスティック・フォーの1人だけをフィーチャーして別な映画を作りました的な。「神」だかなんだかわからいけれど、他で見たようなシーンがてんこ盛り。日本人には合わ…

硫黄島からの手紙

クリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』と対になる作品。事実として悲惨さはよくあらわされると思います。戦争の異常性が浮き彫りになる。現代の場面もあるのですが、そこはあの豪華客船が沈む映画と流し方は同じなのかなぁ。でも「今」につい…

女王陛下のアルバイト探偵(アイ)

気分爽快になることを期待して読みました。気持ちよく読めました。チョイ悪高校生が父親のスーパー探偵の助手をして、危険な目にあいながら女の子と恋に落ちる。前半は、ローマの休日のアクション編で、後半はインディージョーンズあるいは007だったので…

12歳の大人計画

松尾スズキに今注目していて、NHKの課外授業ようこそ先輩のカットされた部分を含めての記録ということで読ませていただきました。05年12月14日放送されたものは見ていませんが、かなりユニークな授業だったことが文面でも分かります。「子どもは大…

ふたりの証拠、第三の嘘

アゴタ・クリストフの三部作「悪童日記」につぐ2作品を一気に読みました。一気に暗くなりました。かなり複雑につながっているので読書後爽快!というわけにはいかなかったです。ついつい第4作を買ってしまいました。でもしばらくはつんでおこうと思ってい…

なんといふ空

映画「ココニイルコト」がこの本から生まれた。大変短いエッセイを膨らませて作られたということを知り、読んでみようと思いました。感想1映画はそんなに原作を膨らましていない。感想2転職の勧めみたいな側面もあるのかなぁ。いろいろなところから持って…

007/カジノ・ロワイヤル

007に望むもの。世界中の風景。美女とのからみ。荒唐無稽な最新兵器。イギリス的騎士道風スマートさ。などなど。 でも今回の作品はパーツはかなりそろっていると思うのだけれど、どことなく違う。美女とのからみは、フーテンの寅さんを思わず想像してしま…

脳男

江戸川乱歩賞受賞作ということで買い求めました。謎解き係りの女医の人間的な魅力がいまひとつで、主人公の男も最後までいい奴なのかどうなのか。続編を作りやすそうな終わりかたで、もしかしたらシリーズ化されているのかもしれませんが、私は読みたいとい…

悪童日記・どちらでもいい

あるブログの紹介で、「どちらでもいい」という本が面白そうなので読んだのですが、いまひとつで。そこに、その作家がその前に書いた3部作がすばらしい。とあったので、購入するまで度胸を決められず図書館で借りることにしました。「悪童日記」は一晩で読…

戦場のアリア

1914年、第一次世界大戦中のクリスマス・イヴ。フランス北部の最前線のノーマンズ・ランドで本当にあった話を下敷きにした映画という。クリスマス休戦はよく聞くけれど敵味方入り混じってミサなんてやるところがキリスト教圏だなぁと。人と人との理解って、…

やっぱり猫が好き2003

もたいまさこ, 室井滋, 小林聡美の3人が出ているところがなんといってもすごい。そして「すごい」と思わせない自然な演技。ストーリーがあるようでないようで・・・。この3人が年をとらないのなら、長寿番組「さざえさん」のようになっていたかも。やっぱ…

父親たちの星条旗

硫黄島シリーズ(?)の第1段ということで、硫黄島からの手紙(第2段?)を観ないと判断できないのかなぁといった感想。話題になった映画は事前に内容がかなり入手できるので、それ以上のものがないと感動できないという。いわゆるハードルが高くなる。っ…